# シャニソン初期デッキ完全攻略

この記事はシャニマスアドベントカレンダー2023(https://adventar.org/calendars/9460 )の5日目です。

ちなみにこれより詳しい内容が有志wikiに存在するので真面目に読む価値はほとんどありません。

# 前説

もうすぐ配信開始一ヶ月を迎えるアイドルマスターシャイニーカラーズ Song for Prism。そのゲーム内ではenza版をモチーフとしたオリジナルのカードゲームを楽しむことができる。ユニットごとに個性のあるカードを組み合わせて君だけの最強デッキを作ろう!

……というコンセプトは正直大変気に入っている。そこで今回はその中で公式に用意された各ユニットごとの初期デッキの内容について比較、考察を深めていく。

# 前提

本ゲームのカードが出す攻撃力(総アピール増加量)は、「ユニットの該当ステータスの能力値×バフデバフ×カードごとの倍率」で導かれる。つまり、ユニットの人数によって同じ倍率のカードでも出力される数字は変わる。今回は各ユニットについて、アイドルひとりひとりのステータスを「VoDaVi:200」、「Me:50」と仮定して計算を進めていく。(概ねシーズン1夏合宿参加条件の数字である)VoDaViの数値が一律であるため、各属性カードの基本攻撃力は同じとする。

今回計算するのは各ユニットの初期デッキの各カードについて

  • 合計攻撃力
  • 合計コスト
  • 合計攻撃力/コスト(=コストパフォーマンス)

を最初に算出し、そこから各ユニットの独自要素が発揮された場合に発揮される想定値を丼勘定で求めていく。また、その際デッキのカードを各一度ずつ使用することを原則とする。

# イルミネーションスターズ

いきなり例外的に、イルミネは12月5日現在エピソードが2つ実装されているため、初期デッキが2つ存在する。その内容は明確にエピソード2の方が性能が高い(初期デッキの時点で9割完成されているので記事のコンセプトが否定されているまである)ため、今回はエピソード1のデッキについて検証していく。

  • ユニット人数:3
  • 特徴:手札のカードのコスト減少
デッキ構成
  • 合計攻撃力:2880
  • 合計コスト:35
  • コスパ:82.29(1コストあたり約82ダメージ)

各カードの効果解説は書いてる暇がないので他に譲る。

トゥウィンクル☆〇〇系が実質的に2コス帯のカードのほぼ完全下位互換と化しているのがアツいデッキ。スパークル・サンシャインによって手札のカードのコストを下げるのがコンセプトなくせに1未満にはならないため、3枚投入されているコスト1のカードが邪魔になったり完成度はいまいち。変に事故らないだけマシかもしれない。基本の計算では2コスカード3枚および〇〇アピール準備のカードのバフを考慮できていないため、こちらを使うことを雑に計算する。

スパークル・サンシャインの効果時間中、使えるコストは基本的に上限の10+効果時間中の回復量6をあわせた16からカード自体のコストを引いた10。10コストあれば2コス帯のカード3枚、〇〇アピール準備3種、トゥウィンクル☆〇〇3種を使用できるため、これらが奇跡的に順番に使用できた場合、

  • 合計攻撃力:4680
  • 合計コスト:26
  • コスパ:180

と各数値が急激に良化する。ちなみに実際に10コストになるまで手札にスパークル・サンシャインを保持しようとするとかなりの確率で相手から手札抹殺が飛んでくるためコンボが頓挫する可能性が非常に高くおすすめしない。

# アンティーカ

  • ユニット人数:5
  • 特徴:自傷/背水
デッキ構成
  • 合計攻撃力:4800
  • 合計コスト:36
  • コスパ:133.33(1コストあたり約133ダメージ)

5人ユニットゆえに見た目上の倍率が低くても案外火力が出ることが多い。汎用カードの◯◯アピールのコスパがイルミネの1コストと4コストのカードのコスパを上回っているのが恐ろしい。よりによって2枚投入されている堕天使のプランクは基本的にコスパがよろしくない。このゲームは相手のMeがやたら低く設定されているため、相手へのMeダメージという点では価値があるが……。(おかげで「自分のほうがMeが低いとき」条件の効果が基本的に使いづらい)

一方で初期デッキ構成だとピンチ状態の条件であるMe30%以下へ突入するのがやや難しい。今回の前提からMe250から75に達するまで、175点のMeを削る必要がある。初期デッキで最も大きくMeを削れる命爆ぜて掴むミライが62点削ってくれるため、30ダメージのカードを4枚使う必要がある。(しかもデッキに投入されているMe20%回復カードがびっくりするぐらい邪魔)そうなると3枚しか手札のないゲームで3枚投入されている背水カードを全て効果的に打てるかどうかは怪しいため、ここでは2枚をピンチ状態で発動できたとし、絶対的レステンシアも175×2=350ダメージ計算。また命爆ぜて掴むミライによるPP2回復を合計コストから減算した状態で計算すると

  • 合計攻撃力:7030
  • 合計コスト:32
  • コスパ:219.68

となる。とにかく背水カードを効果的に使えた時の火力の伸びが凄まじいため、積極的に狙う価値はある。絶対的レステンシアに顕著だが、ピンチ状態かどうかで火力が大きく変化する上、相手からのMe操作を気にする必要もあるため、やや神経を使うのが欠点ではある。

# 放課後クライマックスガールズ

  • ユニット人数:5
  • 特徴:手札増強/属性揃え
デッキ構成
  • 合計攻撃力:4800
  • 合計コスト:48
  • コスパ:100(1コストあたり約100ダメージ)

おそらく多くのプレイヤーからめちゃくちゃ弱いイメージを持たれていると思うが、単純なコスパで言うとイルミネよりはマシだったりする。ただしバフが無いので順番にカードを使うだけだと結局逆転されるが……。

とにかく系統揃えの条件を序盤に達成するのが難しく、エンジンのかかりが遅いためにストレスがたまる。手札を増強しても系統揃えによって増える攻撃力はあまり多くなく、手札が増えるというインパクトからすると肩透かしな感覚がある。

一応、初期デッキに二種のPP加速があること、手札増強が済めば弱いカードは手札に残して強いカードだけを打てることから今回の計算項目以外では優秀と考えることも出来るが、初動にとにかく難がある。

理論上、デッキが一周するまでにハピネス・◯◯系およびPP加速カードの追加効果を全て発動することは可能なのでその前提で計算する、また理屈の上では打たなくても問題なくデッキを回すことが出来るリズミカル★エモーションを無かったことにすると、

  • 合計攻撃力:5400
  • 合計コスト:36
  • コスパ:150

となる。Me値を気にする必要はないため、初動さえ乗り切ってしまえばそこそこの数値で回し続けられることがわかる。とにかく初動の事故が多いので不屈の精神が必要になる。

# アルストロメリア

  • ユニット人数:3
  • 特徴:回復/渾身
デッキ構成
  • 合計攻撃力:2880
  • 合計コスト:34
  • コスパ:84.71(1コストあたり約84ダメージ)

回復カードが含まれているため数字上のパフォーマンスはイルミネに次いで低いが、独自システムセーフ状態の存在によりこの回復カードが強烈なバフとして機能するために実際の火力は非常に高い。Me値の操作が必要な点はアンティーカと同様だが、バトル開始時から強化状態に入っているのは彼女たちには無い利点である。

デッキ構成も癖のないカードで構成されていてとにかく使いやすく、攻撃と回復を交互に繰り出しているだけで勝てることも多々。回しやすさの観点ではぶっちぎりだと思う。

性質上セーフ状態を考慮した火力計算が死ぬほど面倒くさいので雑に簡略化するが、デッキに投入されているカードでMeを160%回復できるため、何も考えずに攻撃→回復と打ったとすると8回セーフ状態フルパワー、80%で追加の一回を打つことが出来る。正直ややこしくてたまらんのでちょっと盛って全カードをフルパワーで打ったとして計算、一番星をつかまえてのPP回復を考慮すると

  • 合計攻撃力:4032
  • 合計コスト:22
  • コスパ:183.27

となる。甘めの丼勘定ではあるがかなり高いコスパを誇り、総コストも非常に低い。この数字が低いことは実際のゲームにおいてデッキの回転率が高いことを意味するため、安定性も高い。コスパの観点では3コストのカード3種をセーフ状態で打ってPPをキャッシュバックするのがキモなので、多分そこを意識するのが一番数字が出る。

# ストレイライト

  • ユニット人数:3
  • 特徴:カウンター蓄積/カウンター消費
デッキ構成
  • 合計攻撃力:1800
  • 合計コスト:32
  • コスパ:56.25(1コストあたり約56ダメージ)

カードの使用により貯まるカウンターを消費して追加の攻撃を行うコンセプト。enza版と違ってバフを特定のターンに向けて重ねる必要がないのでとにかく順番にカードを切っていけばそれなりに回るため、使いやすい。実際の戦闘中に飛び交う手札抹殺への耐性もある程度高い方であり、安定感という点ではユニットイメージに反して非常に高い。

その一方カウンターを上手に蓄積/消費出来なければコスパは非常に悪い。一応初期デッキの時点で上手く回ればデッキの中の全てのカードをカウンター消費状態で打てる上にバフを乗せられるため、その前提であれば

  • 合計攻撃力:8370
  • 合計コスト:32
  • コスパ:261.56

となり、数字の上ではぶっちぎることになる。カウンター消費カードのカウンターを効果的に消費できれば数字の上のコスパは抜群に良いため、これを狙うことになる。もっとも、安定しているとはいえ理論上最適なパフォーマンスを発揮することはかなり難しいデッキではあるが、実際のゲーム中はVoDaViの値が偏ることも多いので、高めになっている属性を有効的に使えるように札を切ることである程度安定した数字を出すことができる。

# ノクチル

  • ユニット人数:4
  • 特徴:回避
デッキ構成
  • 合計攻撃力:3840
  • 合計コスト:23
  • コスパ:166.96(1コストあたり約166ダメージ)

回避という不確定な事象をトリガーにする代償に各カードのコスパは抜群によく、脅威の数字を叩き出している。一方、そのポテンシャルを発揮するには回避を成功させなければならないため、初期デッキに2枚しか入っていない回避バフを重ねるためにデッキを何度もループする必要があり初動が遅い。オーディションではともかく、レッスンではオーバーキルになりがちなこともあって相性が悪い。(まあこのゲーム現状あんまりレッスンする意味ないが……)

デッキコンセプト上今回の計算はほぼ意味を為さないが、デッキに入っている猛烈アピール3種を回避バフが乗った状態で打てると考えると

  • 合計攻撃力:7760
  • 合計コスト:23
  • コスパ:337.39

となり、破壊的な数値を叩き出す。繰り返すが回避という不確定な事象をトリガーとするために安定性は非常に低く、回避100%を実現するにはデッキを2周させて回避バフを重ねなければならないためコスパは低下していく。その一方で脅威の倍率の数値バフも重ねられる(なんかバグがあるらしい)ので、引きさえ良ければぶっちぎりの火力が出せる。

# シーズ

  • ユニット人数:2
  • 特徴:フェーズチェンジ(属性切り替え)
デッキ構成
  • 合計攻撃力:2880
  • 合計コスト:36
  • コスパ:80(1コストあたり約80ダメージ)

フェーズチェンジによってDaとViの属性を切り替えながら戦うコンセプトで、相手からのデバフ等に強い。

その一方数値上のコスパはあまり良くなく、コスト減少カードを上手くやりくりしたり、無駄なフェーズチェンジを使用しないように運用しなければ火力が出ない。

初期デッキではフェーズチェンジ効果は最大3回なため、fascinate dreamerの倍率は0.4倍、jewelry like strengthの最小コストは5になるが、後者はpromote each otherのコスト減少効果を勘案して0コストで打て、またdouble radianceのバフが乗るものとする。更にチェンジランクブーストにより0.2倍ぶんの倍率が乗ったとする。その場合

  • 合計攻撃力:3920
  • 合計コスト:28
  • コスパ:140

となるが、それでもなお数値上のパフォーマンスは高くない。実際には5秒間コスト減のカードは上手く回れば更にコストを削減できたりするが、同じぐらいの確率でフェーズチェンジカードがダブって事故るので結構やりづらい。

他にも相手の手札抹殺で育てていたjewelry like strengthがジャーされることもザラにあり、正直……使いづらい。

# コメティック

  • ユニット人数:3
  • 特徴:除外
デッキ構成
  • 合計攻撃力:3600
  • 合計コスト:51
  • コスパ:70.59(1コストあたり約70ダメージ)

除外ギミックによってデッキの重いカードを消しながら質を上げていき、最終的に除外枚数を参照して追加効果を得るコスパのいいカードで戦うデッキ。……なのだが、なんと初期デッキにはその「コスパのいいカード」が投入されていない。強いかどうかはともかく未完成度は多分ここが一番である。原作再現? うっせえ!

ノクチル同様にデッキを高速でループさせることがコンセプトの終着点なので今回の計算においては非常に不利だが、コンボ〇〇アピールのバフは基本的に乗せっぱなしで計算し直し、また除外されることで効果の出るカードは除外したほうがかろうじてコスパがいいため、その点で計算すると

  • 合計攻撃力:4104
  • 合計コスト:27.5(星屑ノ瞬キの除外時効果により端数が出る)
  • コスパ:149.24

となる。ただしデッキがループした際の並び替えと除外カードをデッキに戻す処理の順序が不明なので二周目以降は同じ回し方が出来るか不明である。 放クラ以上に事故りやすいシステムを抱えて理想火力も放クラ以下というなかなか悲惨な状況であるが、この手のゲームにおいてデッキ除外は無限の可能性を秘めているのでそういう点では救いがある。

# まとめ

そもそもデッキを馬鹿正直に一周させるという前提が狂っているが、単純にカードの数値だけ見ても使いづらいと感じるデッキは本当に使いづらい数字をしている。もちろん全ユニットに優秀な追加カードがあるのできちんと拾っていれば最終的にどのデッキも安定して回ると思うし、PP回復カードをはじめユニットごとに結構差異があるので理想構築での最強ランキングとは全く関係ない数値である。第一アイドルスキルを考慮してないし。

とりあえずアンティーカかアルストが一番脳死で回しやすい!

# おわり

こんな小学生でもできる計算やり直した意味ある?


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