# 検証 芹沢あさひ良い所の私立に通っている説
この記事は2020年1月19日に開催されたこみっくトレジャー35で頒布した「芹沢あさひ良い所の私立に通っていて欲しい部」を加筆・修正・再編したものです 前:仮説
# 芹沢あさひと日常
# 閉鎖空間
ここからはあさひは良い所の私立に通っているという前提を置いたまま話を進める。つまり純度100%の妄想になるわけだ。
「友達そのものが居ない」と言っている場面は確認できないので、例えば孤立したり、問題を起こしたりするようなことにはなっていないのだと思う。一方で、あさひの口から平日の生活についての情報が発せられることも非常に稀であり、その強烈な切り捨てっぷりからは非常に閉鎖的で静寂な学校生活の様子が浮かび上がる。きっと、それは彼女がアイドル活動を始めてからも変わることはなく、芹沢あさひという一生徒の平日の欠席、早退が増えたとしても特段注目されるようなことはないだろう。そんな凪いだ空間にあってなお周囲に染まることを選ばなかったからこそ、彼女は今アイドルなのだと思う。
# 兆候
残念なことに僕に現実のJCのアイドル普及率など知る由もないが、そのような空間にあっては、アイドルという職業そのものの存在感は非常に薄いだろう。それでもクラスの何人か、同じ階のちょっとしたグループなんかは、「ストレイライトのセンター」の存在を知っているかもしれない。
授業中に見る眠そうな横顔、無表情で廊下をまっすぐに歩く姿、時折車に乗って早退するとき、すれ違ったときの期待が隠しきれていない口元。それら全てが、他の誰にも見られない、ある意味で貴重な姿だったとしても。あんなに「おとなしい」彼女が、テレビの中のように熱意をむき出しにして歌い、踊り、華やかな笑顔を咲かせるなんて思いもしなかったから。話しかけようか、写真を撮ろうか。本当に「アイドルの芹沢あさひ」? そんな苦悩を出来ることこそが、そこに居合わせた子たちだけの特権であったことに、いつか気付く日が来て欲しい。
# 芹沢あさひと非日常
# 別側面
あさひは、一度でも平日の早退を経験したらあることに気付くはずだ。「日中に一人の生徒が抜け出したところで世界に大事件が起きるわけではない」ことに。
一方で、その年の子供にとっては正しく大事件かもしれない。これは「正しさ」を行動理念の一つに持つあさひにとって非常に都合が良い。なぜなら、ローリスクで「楽しいこと」に手を出すチャンスなのだから。
昼休みに、自習時間に、アイドル全く関係の無い授業中に。ロッカーに満載した脱出、変装道具を抱えて裏門から、塀の隙間から、2階の窓から。様々な場所から飛び出しては外の世界を堪能し、しれっと帰ってくる。そんな楽しみ方を身に着けて欲しい。
# 新展開
そんなことをしているうちに、更に思いつくはずだ。「実は学内にも面白い場所はあるのではないか?」と。景観や安全性、そして授業用途を全て満たすために計算された中庭、なんとなく面白そうな場所ランキングNO.1の科学準備室、道具の調達やサボタージュ先に便利な体育倉庫。そしてそういうところに居がちなテキトーサボり教師。いるよね。妄想の世界には。
あさひと渡り合えるのは、「全て受け止められる人」か「全て受け流せる人」だと思っていて、アイドルとして関わりのある人達は基本的に前者に属するので、後者のタイプの人物との関わりは一度見てみたいと感じている。「真に無責任になった芹沢あさひ」を見せてくれるのは、相手も無責任なのだと確信したときだけだろうから。
ある日、今日は裏門を飛び越えて抜け出そう、などと考えてささっと門に飛び乗ったあたりでふと後ろを見るとクラスメイトが驚きの顔でこちらを凝視していて、何を思ったか口元で人差し指を立てて「しーっ」と歯を見せながらはにかみ、そのまま飛び去っていく。絶対見たいですよね、そんな光景。
# 芹沢あさひと新たな日常
# 新しい意味
ストレイライトの芹沢あさひとしての存在感が確立されてからは、あさひの学校生活に新たな観測者が増えることになる。黛冬優子と和泉愛依である。彼女らの存在は、あさひの日常に新たなる出来事をもたらすことになる。なんせ、とにかく我を通しがちで、引き際を知らず、突っ走る。そんなあさひの普段の生活が心配になったもんだから、プロデューサーから聞いた学校へ向かってみたはいいものの、驚くほど厳粛な雰囲気に飲まれてほしいし、堂々と入れる理由も無いのでとりあえず裏門の方から塀越しに中を見ようと身を乗り出してみれば反対側からぴょこりと顔を出したあさひとごっつんこしてわちゃわちゃしてほしい。そのままお昼食べて、颯爽と学校へ戻っていくあさひがどんどん不安になって放課後まで見張ってみたら、正門からクラスメイトと一緒に出てくる姿を目撃して拍子抜けして欲しい。
あさひにとってそれまで無意味だったかもしれないことは、他の誰かにとっては新しい発見かもしれない。それを積み重ねるうちに、彼女の歩いた道は全てが光になるから。
# 新しい空
芹沢あさひ、僕にとっての光、信仰の対象。願わくば、彼女の生きた道において、アイドルであった時間も、そうでなかった時間も、等しく糧となり、活力となり、さらなる遠き空へ、いつか太陽を越えてどこまでも飛翔してくれるよう。その道をいつまでも眺めていたいから。
# 検証おわり
こういうのは検証と言わない。
出来れば明日の新SSRとイベントで今回書いたことが完全にありえなくなるような展開じゃなければ、僕は喜ぶと思います。でも新SSRの演出が2階の窓から笑顔で侵入してくる芹沢あさひって僕の妄想4割ぐらい実現してくれてると思いません? あさひはきっとそこにいる。